活 動 記 録

「支縁のまちネットワーク」第2回宗教教団の社会活動ヒアリング訪問

仏教慈済基金会日本支部関西連絡所

 

 「支縁のまちネットワーク」では、平成28年10月16日午後、東大阪市にある仏教慈済基金会(慈済会、または慈済〔ツーチー〕)日本支部関西連絡所を訪問した。

 慈済会は台湾の花蓮市を本部とする世界最大の仏教系NGO団体で、台湾を中心に世界中に400万人を超える会員を有し、さまざまな社会貢献活動を展開していることで知られる。
日本支部は1991年に成立したが、その名前を広く知らしめることになったのは、2011年に発生した東日本大震災で50億円もの義援金を被災者に直接配布した活動であろう。

 関西連絡所は、大阪と神戸の慈済会メンバーが中心となって6年前に設立され、最近は台湾華人だけではなく、日本人ボランティアも参入するようになっている。
連絡所の建物は慈済会メンバーの経営する帽子製造会社をリニューアルし、入り口の破風等の様式も慈済会独特の形にしている。

 今回の訪問は、当初、関西連絡所でボランティア研修会を見学させてもらい、そのあと関係者の方と質疑応答の時間を設けるという予定で計画していた。
連絡調整を進めていく中で、我々の多くが慈済会訪問は初めてということもあって慈済会の活動紹介と交流をメインの内容にするなど、わざわざ2時間のプログラムを組み替えていただいた。

 前半の1時間は、映像を使って、2015年に慈済会が世界各地で行った災害支援活動、また関西地区の諸活動を紹介していただいた。
後者の活動としては、最近始めた冬季のホームレス支援、障害を持った人々との手話を通じての交流会、受刑者への心のケア、急病患者への寄り添いケア、また熊本地震での救援活動の様子が紹介された。

 後半の1時間は、茶話会という形式で、質疑応答を交えながら、相互交流と懇談を行った。
慈済会の独自性(菜食主義や委員の守るべき慈済十戒など)を維持しながら、日本社会になじんで活動していくために、きめ細かな対応やケアの様子について、いろいろと教えていただいた。
今回は、我々のために日本人ボランティアの方も3名参加していただき、また通常の研修会や行事の際は中国語(北京語・台湾語)と日本語を用いて行われるところを、全て日本語で行っていただいた。
茶菓をいただきながら、終始なごやかな雰囲気で懇談が進み、予定されていた2時間の我々の訪問もあっという間に過ぎた。

 我々支縁のまちネットワークとしても、慈済会と今後新たに交流を続けていくことを約束した。

文責:金子 昭